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TCFD提言への取り組み

サステナビリティに関する考え方

当社は、『快適な食空間、心温まる接客、そして美味しい料理は人々を「幸せ」にします。』という社会的使命のもと、『お客様から「褒められる店」を創ろう!』という経営理念に則り、事業を推進しております。サステナビリティは、その実現のための基礎となるものであるため、経営戦略を具現化するための中期経営計画の大目標の一つとして「サステナビリティの推進」を掲げるとともに、サステナビリティ基本方針を取締役会で決議し、「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。

当社は、サステナビリティビジョンとして「食に困らない豊かな社会の実現」、「全てのステークホルダーとの共栄」、「地球環境の保全」を目指すことを表明し、積極的・能動的に取り組んでおります。

1. 「食に困らない豊かな社会の実現」に関する取組み

食を通じて社会に貢献するため、当社は安心・安全で美味しい料理の提供に取り組んでおります。そのために、主要食材は国産を使用することで安心・安全を確保するとともに、国内自給率の維持・向上に寄与しております。上質かつ安定的な国産食材の供給を確保するため、生産者との緊密な連携と公正な取引関係を構築しており、当社の持続可能性を高めております。

さらには、代金の一部を世界各地で子ども達のための支援活動を行う民間・非営利の国際組織 「セーブ・ザ・チルドレン」へ寄付するとともに、学校の休み期間中に全国の子ども食堂に対して「お子様弁当」の無償提供を行うなど、その時々に応じて必要とされる取組みを積極的に行っております。

2. 「全てのステークホルダーとの共栄」に関する取組み

当社は、全てのステークホルダーとの共栄を目指し、事業遂行の成果の還元として、お客様に対する主要食材の国産化による安心・安全という付加価値のご提供、株主に対する配当水準の引き上げや自社株買いによる還元、取引先に対するサプライチェーン全体での付加価値向上を目指した取り組み、従業員に対する処遇や職場環境の改善などを実施してまいりました。 また、当社はスポーツを通じて健全な精神、強靭な身体、礼儀正しさなどを学ぶ青少年の育成活動の支援を行っており、企業や自治体のイベントに屋台を出店するなどして地域の活性化の一翼を担っております。

3. 「地球環境の保全」に関する取組み

営業活動及びお客様への料理の提供に係る環境影響を低減する為に、環境マネジメントシステム活動を推進し、水道光熱使用量の削減や一般廃棄物の排出削減に取り組んでおります。具体的には、2022年4月からの「プラスチック資源循環促進法」の施行に伴い、「バイオマスプラスプーン」「プラスチックレンゲ」を有料化するとともに、「ストロー」の素材をプラスチックから紙に、「使い捨てミニスプーン」は プラスチックから金属性のデザートスプーンに変更するなど、同法に則り、環境保全のための取り組みを推進いたしました。さらに、食べ残しを防止するため、食べきりサイズの「ジャストサイズメニュー」を提供し、食品ロス削減にも取り組んでおります。また、環境配慮設備への更新による店舗や工場のエネルギーコストの削減などにより、CO2排出量の削減に取り組んでおります。

こうした取組みにより、地球環境への負荷を低減し、自然災害や気候変動のリスクに備えることが、お客様からの信頼獲得にもつながり、当社の持続可能性を高めると考えております。

様々な活動の中で、気候変動に係るリスク及び機会が当社グループの事業活動や収益等に与える影響について必要なデータの収集と分析をおこない、TCFD提言に沿った取り組みを下記の通りご報告いたします。

ガバナンス

当社は、サステナビリティに係る課題の検討やモニタリング等の対応については、代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会(原則年4回開催)で目標・計画の策定、重点取り組み課題の選定、計画に対する進捗を確認し、適宜、リスクと機会及び財務への影響をステークホルダーに開示します。

「気候変動対応」を含むサステナビリティに関わる重要な議案は取締役会に上程、報告を行い、承認、助言、監督を受けます。

組織体制は下記記図の通りです。

2022年度はサステナビリティ委員会を4回開催し、 「気候変動対応」に関わる事案では、Scope1、2排出量の削減、プラスチック使用量削減の推進などについて議論を実施しました。

組織体制

戦略 「シナリオ分析」

当社では、2100年における世界の気温上昇が2℃上昇と4℃上昇の世界観を想定し、2030年、および2050年におけるシナリオ分析を実施しました。

海外につきましては台湾に事業所と直営店2店舗がありますが、当社全体への影響は極めて小さいことから、対象を国内に絞り、シナリオ分析を進めました。

以下に示す政府機関及び研究機関で開示されているシナリオなどを参照して、重要度の評価及び財務影響の分析を実施しています。

シナリオ分析

戦略 「リスク、機会」

特に当社で実際に起きる可能性が高いと想定されるリスク8項目、機会5項目を開示します。

種類 リスク、機会の
発生する要因
具体的内容 2030年の
財務影響
移行
リスク
政策及び規制 温室効果ガス排出の価格付け進行 炭素税の増加により、原材料調達コストや化石燃料を使用したエネルギーコストが上昇する
省エネルギー政策の強化 規制強化により化石燃料(ガス)が使用しにくくなるのに伴い、調理器具への設備投資コストが増加する
既存製品/サービスに対する義務化/規制化 低炭素やカーボンニュートラルに対応したレシピ開発や資源循環に対応するため、各種コストが増加する
市場 消費者行動の変化 持続可能な原材料の探索とエシカル消費に対応したレシピ開発により料理の開発コストが増加する、また対応により原材料コストや店舗運営コストが増加する
エネルギーミックスの変化 再生可能エネルギーの使用により、設備投資コストやエネルギーコストが増加する
評判 当該セクターへの批判
ステークホルダーの不安増大
料理・サービスへの環境規制対応が適切にとられないことにより顧客からの評判が低下し、売上の減少と株価が低下する
物理的
リスク
慢性 降雨パターンの変化、気象パターンの極端な変動
平均気温の上昇
海面の上昇
平均気温の上昇に伴い、空調、冷凍・冷蔵庫への設備投資費用、使用によるエネルギー費用が増加する
気候変動や気候不順により農作物の収量低下や品質劣化が発生し原材料コストが増加する、若しくは必要量が確保できず売上が減少する
機会 資源の
効率
再生利用(リサイクリング)の利用 気候変動に伴う原材料供給変化に先行対応したレシピ開発により、訴求機会が増加し、売上が増加する
エネルギー源 低炭素排出のエネルギー源の利用 低コスト化した自然エネルギーの導入によりエネルギーコストが減少する
製品及びサービス ビジネス活動を多様化させる能力 気温上昇に伴う顧客の嗜好の変化を捉えた料理・サービスの開発により売上が増加する
評判 顧客の評価変化 環境に配慮した料理や店舗設備開発により、顧客の期待や関心が高まり、当社ブラントイメージが向上し、売上が増加する
従業員の評価変化 サステナブルな消費生活に合わせた商品開発、情報発信により従業員の環境意識や理解が高まるとともに、自社の取り組みに魅力を感じ、内部評価が向上する

戦略 「対応策」

特定したリスク、機会に対する中長期での対応策につきましては、継続的な実施と効果評価を行い、事業活動のレジリエンスを高めてまいります。

対応策 具体的内容
使用エネルギーの発電、転換などに伴う温室効果ガス排出量の削減
  • 再生可能エネルギーの使用を推進する
  • 環境負荷低減につながるエネルギーへの転換を進める
  • CO2排出が少ない輸送・保管方法に変更する
環境配慮型素材の探索と開発
  • 料理の美味しさを担保しつつ、環境に配慮した食材の探索を拡大する
  • お客様に満足いただけることを前提として、環境規制・義務化に対応した料理・サービスの開発を推進する
  • エシカル消費の動向を見ながら高付加価値の商品を積極的に開発することにより、お客様満足の向上に繋げる
気候変動に対応しつつ、環境負荷低減に貢献する設備への転換
  • 設備改良・更新による店舗・工場の省エネルギー化、エネルギー効率化を推進する
  • 設備更新による店舗・工場のエネルギー転換を推進する
気候変動に対応しつつ、環境負荷低減に貢献する活動の推進
  • 廃棄物削減を推進する
  • 資源の再利用、再資源化を推進する
お客様の嗜好・動向に合った料理・サービスの提供と当社環境配慮方針・戦略の伝播
  • 気候変動によるお客様の嗜好や動向の変化に合った料理・サービスの開発を推進する
  • 当社の環境配慮への方針・戦略をステークホルダーに伝えていく

店舗では以下対応の展開や実施検討を進めております(下線は実施検討中の対策)

対応策

店舗では以下対応の展開や実施検討を進めております(下線は実施検討中の対策)

対応策

工場では以下対応の展開や実施検討を進めております(下線は実施検討中の対策)

対応策

リスク管理

当社は、特定された気候変動関連リスクについては、サステナビリティ委員会を中心にリスクの回避、軽減、コントロール、機会への早期着手に関する方針の策定や対応策の立案などを実施し、取締役会への上程、報告と承認、助言、監督を受け、全社を通じたリスクマネジメントを行っています。また、対応策の実施状況、およびその効果についてモニタリングを実施しています。

特定されたリスク及び機会に関して、当社は以下のように取り組みを行っています。

  • 気候変動関連のシナリオ分析
  • 短期・中期・長期の気候変動関連のリスク及び機会の特定と重要度評価
  • 特定された重要な気候変動関連のリスク及び機会に対する戦略的な取り組み方針
  • 気候変動関連のリスク及び機会への具体的な対応策の検討
  • 気候変動関連のリスク及び機会に関して採用された対応策の進捗管理

指標と目標

当社では事業活動におけるCO2排出量(Scope1、2)の把握に加え、2021年度より原材料の調達や輸配送、フランチャイズチェーンなども含んだサプライチェーンのCO2排出量(Scope3)の把握に取り組み始めました。

2022年度の事業活動におけるCO2排出量(Scope1、2)は86,097t-CO2、およびサプライチェーンにおけるCO2排出量(Scope3)は276,057t-CO2でした。

  • 2022年度 売上百万円当たりの事業活動におけるCO2排出量(Scope1、2) : 0.93t-CO2 /百万円

当社2021年度のCO2排出量を基準値として、日本の2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向け、当社としても省エネルギー・創エネルギー活動を推進すると共に再生可能エネルギーの活用検討も進め、継続的な低・脱炭素活動を推進してまいります。

サプライチェーンのCO2排出量(Scope3)につきましても環境配慮型素材の探索や開発、環境負荷低減に貢献する活動を推進し、削減に貢献してまいります。

CO2排出量(Scope1、2)実績

Scope1~3 CO2排出量実績

環境省、経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(ver.2.5)」をもとに算出しました

海外につきましては台湾に事業所と直営店2店舗がありますが、当社全体への影響は極めて小さいことから、対象を国内に絞り、算出しました

Scope1~3 CO2排出量実績
  • 算定には「LCIデータベース IDEAv2.3 (サプライチェーン温室効果ガス排出量算定用) 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 安全科学研究部門 社会とLCA 研究グループ 一般社団法人サステナブル経営推進機構」、「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.3) 環境省」のデータベースを使用
  • 2021年度から2022年度の算定方法の変更点
    Scope3カテゴリ 1:算出に使用した活動量を金額ベースから重量ベースに変更
    Scope3カテゴリ14:店舗でのガス・電気使用に伴うCO2排出量は一部店舗では保守的な推計値で算出していたが、全店実績値からの算出に変更
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